念のため、記事の下の方にタイトルにあるヨトウガの幼虫【イモムシ】を撮影した画像がありますので、苦手な方はご注意ください。
ヨトウムシに食べられた雑草
こちらは2019年12月04日に撮影した、なにかに食べられた雑草です。根生葉の形状と葉に光沢があることから、ヒメジョオンかなにかと思います。けっこう派手にやられていたので撮っておいたものです。
以前この雑草付近の土の上に、コロンと丸まって動かないなにかの幼虫をみたのですが、その時はまあいいやと放置していました。今になってみれば、あれが雑草を食い散らした犯人、ヨトウムシだったのかもしれません。
不思議なことに、我が家の庭においてこの雑草以外で食害されている雑草をあまりみたことがありません。ヨトウムシはヒメジョオンが好きなんでしょうか?
ヨトウガの幼虫
そしてこちらが2019年12月27日に撮影した、ヨトウガの幼虫と思われるイモムシくんです。
ヨトウガ、シロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウ、シロシタヨトウなどの蛾の幼虫をヨトウムシ類と呼びます。ヨトウムシは漢字で「夜盗虫」と書きます。日中は土中に潜み、夜間に土の中から這い出して、作物を食害するところから付けられた名前だそうです。
庭の土の上を観察していたところ、いきなり寝転がっていて少しビックリしました。…ヨトウムシって明るい時間は土の中にいるんじゃないの?ずいぶん立派なサイズですが、触っても全く動きませんでした。寒いからだろうか?
ヨトウムシの種類の判別には、下記の資料を参考にさせてもらいました。
[PDF]ヨトウムシ類の見分け方と防除
資料に記載のある判別フローチャートを辿っていくと下記のようになりました。
幼虫:大きい場合(1~5cm)
→後足(腹脚)の数は?:4対である
→頭の後ろに一対の黒い斑紋がある:いいえ
→体に黒色の点々が並び、そこから太い毛が出ている:いいえ
→ヨトウガ(老) or シロイチモジヨトウ(老):体色よりヨトウガと判断
資料によるとヨトウムシは果樹も食害するそうですが、なんとなく食べる優先度は低そうですね。雑草のほうが好きそうな印象です。別にそのままにしておいてもよかったのですが、当日は燃えるゴミの日だったので袋に入れて持って行きました。南無。
ツマジロクサヨトウについて
ちなみに、上の資料は平成13年と古いものなので、令和元年7月に姿を現したニューカマーであるツマジロクサヨトウについては当然記載がありません。
ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)は、極めて広食性なヤガ科の害虫であり、サトウキビ、トウモロコシ、イネ、豆類、いも類、野菜類等、80種類以上の作物に被害を与えることが知られています。
引用元:農林水産省 – ツマジロクサヨトウに関する情報
令和元年7月、鹿児島県南九州市内の一部ほ場において、本虫の発生が我が国で初めて確認されました。
農林水産省では、関係機関と協力の上、本虫のまん延の防止に向けて緊急的に取組を実施しています。
これまでのヨトウムシはイネ科を食害しないとのことでしたが、上記によるとツマジロクサヨトウはイネも食べてしまうみたいですね。庭のナギナタガヤは食べられていないので、こいつではなさそうです。
このツマジロクサヨトウ、初めは鹿児島で発見されたのですが、今ではもう既に関東まで分布を広げてしまっています。海外でも大きな被害を出している害虫なので、農業関係者は戦々恐々ではないでしょうか。日本での被害が拡大しないよう祈っております。
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